こんにちは、渡辺誠司です。
毎日暑いですね。
今年も、異常な暑さで、
ふだんエアコンの効いている事務所で仕事をしている自分にとっては、昼間に外に出るのは恐怖です。
しかし、この猛暑の中、
エアコンの無い現場仕事は、本当に大変だと思います。
この前、うちのエアコンが壊れてしまい、
新しく買い替えたのですが、工事に来てくれた人が汗だくで仕事をしているのを見て、本当に大変だなと思います。
最低賃金の引き上げで喜ぶ人は誰?
やっぱりと言いますか、
すでに既定路線となっている最低賃金の引き上げですが、
岐阜県はプラス26円の賃上げとなりまして、今年は「851円」となりました。
うちの会社の試用期間は「時給850円」なので、根本的に賃金を見直さないといけないです。
賃上げの先にある未来は明るいのか?
政府は、最低賃金を1000円まで引き上げる施策を検討しているのですが、
これもまた、経営者と労働者が二極化されるデメリットの多い話だと感じています。
東京など、大都市圏であれば成り立つ時給かもしれませんが、
最低賃金787円の鹿児島で、ギリギリの経営をしている会社にとって、
時給1000円に賃上げするということは、市場からの退場を意味することになります。
給料を払えない会社が潰れれば、そこで働いている人も困るわけで、
新たに、時給1000円で雇ってくれる会社も、そうそう簡単には見つからないのです。
例えば、単純な袋詰め作業や、ちょっと体力のいる梱包作業でも時給1000円を払うのであれば、受注している仕事単価を1.5倍~1.8倍に増やさないと経営そのものが成り立たないのですが、残念ながら「あぁ、そうですか。それは大変ですね」と言って、易易と仕事単価を上げてくれるわけがありません。
上手く、仕事単価に上乗せできれば良いのですが、
その上乗せした分のコストは、ダイレクトに消費する側に負担が廻ってきますので、
たとえ、賃上げして給料が高くなったとしても、確実に出費が増えることになるのです。
時給1000円時代。
響きは良いかもしれませんが、
単にインフレが進むだけで、労働者の実質的な賃金は変わりません。
最低賃金の引き上げで喜ぶ人は誰?
例えば、
最低賃金ギリギリで雇用している会社で、10人が働いていると考えた場合・・・
時給1000円を払わないと人を雇用できないのであれば、
会社を存続させるためには、この2つの選択肢しかありません。
・仕事単価を上げて利益を増やすこと。
・効率の悪い人に辞めてもらって、少ない人数でも生産量を減らさないこと。
いずれにしても、経営者は苦しい判断をせざるを得ません。
たとえ、人員削減して一時的に合理化しても、
その方法だけでは成り立たなくなり、さらに苦しい状況になります。
安い賃金でもいいので、当面の雇用を維持するのが良いか?
それとも、賃金が上がることで雇用が拡大されることを期待するのか?
僕の個人的な考えでは、
まず、単純労働や肉体労働は、ロボットと外国人労働者がやることになり、私たち日本人の出番は減り続けることに違いありません。
私たち日本人は、
もう、会社や社会への「労働奉仕」という考え方では喰っていけないのです。
最低賃金の引き上げで喜ぶ人は、
自社のブランディングをしっかりやって、その価値を単価に転嫁できている会社です。
そういう会社は、時給1000円でも耐えうる基盤があり、
そういう会社に人が集まってくるので、他社から流出した人材が自然と集まってくるわけです。
あと、3年くらいすると、
もっと厳しい世の中になるので、いまのうちに努力しないと後悔すると感じています。